君のためにできること
「う、うん。やるやるッ!」

私はパッと立つと、男子たちの輪の中に入る。

ほっ。

助かったぁー。

「呼んでくれてサンキューね。三芳くん。」

「おう!ほら、吉野バスケうまいし。」

「よーし、頑張るか!」

私は救われた気持ちで、男子たちの中で一人、バスケを始める。

「吉野ってばかわいいよなー。」

「スタイルいいし、元気いいし。」

いつのまにか、わさわさと男子が集まってきて、志麻のバスケに見入っている。

「麻生さー、吉野とつきあってんの?」

「いいや、つきあってないけど。何で?」

「オマエら仲いいからさ。そっかー、つきあってないならガンガンアタックしてみるか。」

貴史の答えで、妙にやる気な男子を尻目に、

「いいのか?んなコト言って。貴史がそんなこと言ったら、志麻ちゃん、野郎共の的だぜ?それでなくても、モテんのに・・・。」

ハルキが心配そうに言う。

「いいんだよ。・・・志麻には、オレじゃダメなんだよ。」

「貴史・・・。」
< 3 / 37 >

この作品をシェア

pagetop