空色デイズ ~陸上部エース♂×陸上部マネージャー♀の危険な取り引き~

「別にアンタのせいじゃないし…」


「俺のファンの子のしわざだろ」



切なげな表情で呟いた彼に胸がしめつけられる。



身体が不安定な状態の腕の中で、彼の服をぎゅっと握った。



「ちょっと…。ほんのちょっと、怖かっただけ…だから」



私のか細い声に眉を寄せた彼が額に口づけを落として放つ。




「今日は、帰さないから――」




甘い声色に彼を見上げた私は、視線を合わせようとはせず前を向いている姿を見て。



改めて訊ねなくても、その意味を理解した。

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