パタン…

ドアが閉まる音がして、それと同時に気まずい沈黙が流れた。

一歩、また一歩、と久世がゆっくり近づいてくるのが、床のきしむ音でわかる。


「頼。」

ぐい、と手首を引かれて、部屋の中に連れ戻された。


どうしよう。
素直になろう、なれるって思ったのにやっぱり…。


「鍵は閉め忘れるな、人間は拾うな…と説教してえのは山々なんだけど、とりあえずこっち見ろ。」


顔を上げると、久世の薄茶の瞳に小さな自分が弱弱しくうつってた。

だめ、もっとしっかりするんだ。

ちゃんと、言う。


言いたいことを言えない私なんて私らしくないのだから。


この作品のキーワード
切ない  大人の恋  すれ違い  セフレ  大人  弁護士 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。