Under The Darkness
奈落へ
7
ガタゴトとモノを動かす音。傍らに立つ人の気配。そして、上半身に触れる指先の感触。
それが肌の上を辿り、何かを確かめるような動きを繰り返していた。
胸元をガリッと引っかかれた気がして、沈んでいた意識が急速に浮上しだす。
――痛っ! 誰!? 今、カサブタめくったん!?
胸元がジクジクと痛みだす。
その時、人の話し声が聞こえてきて、私はうっすらと目を開けた。
「――ええ。これらは全て最近のものになります」
「自分で傷つけた、というのか」
「ええ。恐らく精神的なものからくる行動かと」
「チッ」
――なに?
私の隣には京介君がいた。そして、京介君は、白衣を着たお医者さん? と話をしていて。
私はどうやらベッドに寝かされているようだった。
――ああ、身体が重たい……。
再び瞼を降ろしたんだけど。
身体がスースーする不思議な感じに、ハッと目を見開いた。