彼がグラドルを嫌う理由
再会



それから、私は変わった。



撮影でむやみに笑うことはなくなった。

ただ、なるべくその時の感情に従う。



「今日のカメラマン、菊池颯真さんだって~彼、イケメンだよね~」


「興味ないです」


セットをしてるとヘアメイクさんから声がかかるも素っ気なく答える。



「顔赤いけど、大丈夫?」


「だっ、大丈夫です!」



実は自分でもちょっと動揺してる。



そもそも本当に、彼が来てくれのかもわからないけど。


だって、彼はひたすらグラビア撮影を断り続けてる。



「愛莉ちゃん、スタジオ入りしました」



スタッフの声を他所に彼を目で探す。



本当に…いた……。



ちょっと大人びていたけど、すぐに彼だと分かった。



カメラを片手にスタッフさんと話をしている彼に近づく。



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