恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
交差する気持ち

コンフォルトで週に一回雅樹と合う約束

をしてはじめての木曜日。


あの日から連絡をとっている訳じゃない

から彼が覚えていてくれているか半信半

疑でコンフォルトに向かった。


彼が来なくても連絡をとらないといけな

い。


明日、奈々は藤原さんと花火大会に行く

約束をしたことを伝えるために…


そして、2人は上手くいっているようだ

ということを…

だから、もう、2人の為に会う必要がな

いと伝えたい。


このまま、2人を理由に会い続けたら私

はおかしくなっていく。


胸が高鳴ったり、ちくんと胸に痛みが走

ったり、彼の作る表情一つに翻弄されて

いってしまう。


扉を開ける前に深く深呼吸。


(ふ〜)

お店の中に入って行くと既にカウンター

席で雅樹が1人飲んでいた。


いや、よく見ると女性が2人彼と会話し

ていた。


「お1人なら一緒にどうですか?」


笑みを見せるだけで答えない雅樹。


彼女らは、その笑みをYesと思ったのか

彼の腕をとり立たせようとしていた。


その無意味な笑みを浮かべる雅樹に苛立

つ。


「早希ちゃん、いらっしゃい」


マスターが声をかけてくれると雅樹が振

り返ると一瞬、見せた悲しそうな表情は

気のせい⁈


「ごめんね。連れが来ちゃたからまた今

度ね」


雅樹の極上の笑顔。

自分をわかっているからできるのだ。


彼女らは、頬を染め頷くと元のテーブル

へ戻っていった。


なぜ、この男のまわりにはいつも女がい

るのだろう。


彼に促され席につく。


「いつも待たせてるから、今日は早めに

仕事片付けて待ってたんだ」


は〜、そうですか‼︎

それでナンパされてたんですね。

この前も女の人と一緒に来ませんでした

か⁈

どうでもいいけど、なんなのこのイライ

ラは⁇

やっぱり、雅樹といるとおかしくなる。


何も話さない私に痺れを切らしたのか、

顏の前で手を前後に振る雅樹。


その手を振り払いマスターに飲み物を頼

んだ。


「マスター、ビールお願いします」

「今日はカクテルじゃなくていいの⁈」

「この間の美味しかっんですけど、今日

は甘いカクテルビールよりいつものビー

ルて感じです」


くすりと笑うマスター。

なぜ笑う⁈


おもしろいことなんて言ってませんけど

……
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