私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
◇第4章:都会男とお祝い会
 茜と久しぶりの女子会をした翌日、私は四つ葉出版社に出勤していつも通りにフロアに入ると、総務部の男性から声をかけられた。

「タウン情報部宛の郵便物です」
「ありがとうございます」

 ここ四つ葉出版社では編集部宛ての郵便物は総務部が毎回届けてもらう仕組みになっていて、男性から渡された封筒の重さからすると、昨日姫川編集長と話していた印刷会社からの見本誌だよね。

 今すぐにでも読みたいけれど、これは姫川編集長が来てからだから開封するのは我慢しなくちゃ。

 私は封筒を姫川編集長の机の上にそっと置いてパソコンの電源を入れ、今日は何としてでも小学生より上手く書いてみせるんだからと気合を入れたらフロアに姫川編集長が入ってきて、もじゃもじゃ頭を掻きながらだらだらと歩いてくる。

「うっす」
「姫川編集長、印刷会社から荷物が届いてます」
「おう、届いたか。どれどれ」

 私は立ち上がって封筒を姫川編集長に渡すと、姫川編集長はドカッと椅子に座って封筒の封を大雑把に開け、中身を取り出した。
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