虹色ハート

生後５日目

　９月１８日０時、アンナはまた救急車に乗りました。
　深夜に容態が変わって、ＮＩＣＵで点滴や人工呼吸機械に繋がれ輸血までしていたのに、何度も危険な状況になったんだ。
　今から循環器専門病院へ転院になるそうです。

　産婦人科医院でこんな状態にならなくて本当に助かった。
　もし県立病院に転院してなかったら、この時間に死んでいた。
　アンナはすごい子なんだよ。
　生命力ががある。　
　それに運だって強い。
　ママ、きっと大丈夫。
　
　でも、循環器専門病院の先生は『今日の明け方までもつかどうか』と言いました。

　朝４時、アンナはしっかり生きてるよ！
　もう呼吸すら自分で出来なくて、体中が管だらけだけど…。
　血が内蔵に回らないせいで、全くオシッコを出せないくて、体がムクムクになっちゃいました。
　たとえ回復しても、危険な手術が次から次と大量に待っています。
　その手術に成功したからって何の障害もなく生きる事は不可能なんだって。
　それがアンナの人生なのかな？
　
　ママは自分を責めています。
　アンナをこんなに苦しめるなら妊娠なんかしなければよかった。
　ママの勝手でアンナを産んでごめんなさい。
　つらい思いをさせてごめんなさい。

　ママ、パパ、それは絶対に違うんだよ。
　アンナが世界中からパパとママを選んだんだ。
　だからアンナに謝らないでね。
　
　可愛いお洋服が欲しいな。
　甘いケーキが食べたいな。
　パパとママとおねえちゃんとアンナとで平凡に暮らしたいな。