カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~

逸希side-

こうと思えば、そのまま暴走特急のように突っ走る莉那を引き止められなかった。



あれから、莉那は実家から1時間半かけて出社した。


俺は藤ヶ谷副社長にアポを入れる。


「どうぞ、こちらです。遊佐様」


秘書の夏目さんが副社長室へと案内してくれた。


副社長室に通されたものの、藤ヶ谷副社長は電話中。

俺は彼の姿を一瞥して、応接ソファに腰を下ろした。



「すまない。遊佐さん」


「貴方は何をお考えですか?」


「何のコトですか?」


藤ヶ谷副社長は俺の前の肘掛け椅子に座り、恍けた返事を返した。






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