空と君との間には

2話 君が笑ってくれるなら

「結城くんは、まだ復活できないのかね」

西村嘉行宅。

黒田と紗世は西村の原稿をチェックする。

西村はソワソワと落ち着かない。


「結城さんはまだ入院中です」


結城の入院から既に10日余り。


「良くないのかね?」


西村は心配顔で紗世を除きこむ。


「ん……詳しくは聞いてないです」


「結城くんが来ないと何だか物足らんのだ」

西村は言いながら、葉巻き煙草を加える。


「先生は由樹が余程お気に入りなんですね」

黒田が嬉しそうに言う。


「当たり前だ。彼ほど頭もキレて、仕事もできる若手はいないからね。何より彼は見目もいい。イメージが沸くんだよ」


「作家の先生方皆さん、そうおっしゃっていただきます」


「そうだろう、彼は他社のベテラン担当にも決して引けを取らない」
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