戦国遊戯

***** 玲子's View *****

じっとりと、湿った空気が体にまとわりつくような感覚に、玲子は目が覚めた。


…ここ、は…


頬にぽたっと水滴が落ちてきた。

「うっ…」

小さくうめき声をあげ、目を少しずつあけると、どこか見覚えのある風景が広がっていた。

「…ここは…」

自分が今いる場所はそう、幸村を助け出した、あの、地下牢だ。そのことを認識した瞬間、信長や学とやり取りをしたことが脳の中を駆け巡っていった。

「田中くんは!?」

動こうとした瞬間、首にずきっとした痛みを感じた。

「いつっ!」

手で首の後ろをさすろうとしたとき、自分の両手首に、冷たい感触があることに気付いた。そっと手首の方に首を向ける。


なっ!手枷!?

玲子が腕をぐいっと動かすと、カシャッという金属音が、暗く湿った室内に響き渡った。

「なに、これ」

足にも同じような冷たい感触があることに気づく。玲子の体は、一瞬恐怖で震えた。


両手に付けられた手枷のせいで、腕を自由に動かすことができず、両足に付けられた重石付きの足枷のせいで身動きが取れなくなっていた。

「やぁ、気付いたかい?」

聞き覚えのある、今一番聞きたくない声が聞こえてきた。

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