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「亜矢ちゃん、旦那さんどんな人?」

「コバはもう子供いるもんね」

「たっちーはどうなの?」

それぞれの近況報告で盛り上がる中、お決まりのように話しを振られた。

まさか別れたはずの男が家に女を連れ込んでるなんて言えるはずもなく、「私は仕事ばっかりだなー」とやんわりごまかした。

ずっと地元にいる子たちの情報量は凄まじく、あの二人がくっついたとか、あの人たちは別れたとか、そんな話題が尽きることなく続く。

私は流れに身を任せて、にこにこしながらひたすら聞き役に徹していた。

「ハル」

みんなの話しに夢中になって、少し呆けていたところに声をかけられ、驚いて振り向いた。
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