彼と私の事情
そこから、お互いのことをぽつりぽつり話した。

名前以外知らなかったんだよね。

立川さんは私より3つ上だとか、私が仕事をしてないこととか、なんでそうなったとか。


「…ん?」

あれ?この道…

夢中になって話してて気づかなかったけど、私の家に向かってない。

間違えてんのかと思ったけど、
この人に限ってないだろう。

だって…

「…もしや…立川さんのお家に向かってます?」

「そこ以外に帰る場所ないだろう。」

「…いや、私は家がありますけど…。」

あれよあれよとついた所は立川さんちの駐車場。

「あの家に帰ってお前は寝れるのか?」

ぐっと言葉に詰まるけど、このままなら寝れる気がする。

「とりあえず。確率が高い場所を選んだつもりだったけどな。」

悔しいけどここで寝れた事実もある。
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