ずっと隣で・・・
新幹線が動き出した。
怒涛の1泊2日だった。
「観光どころじゃなかったな・・・・」
ボソッとつぶやく。

駅のホームで買った缶コーヒーを開けた。
昨日、弦が買ってくれたものと同じ缶コーヒー
昨日はいろいろあり過ぎて味なんか憶えていなかった。
でも・・今は
コーヒーを一口飲んだだけで胸がキューっと締め付けられる思いがした。

すると
マナーモードにしていたスマホにメール着信があった。
もちろんメールは弦からだった。

『もう迷わないから・・・・待ってろよ』
私はスマホをしまうと車窓からみえる景色に視線を移した。
でもほとんど景色など見ていなかったと思う。

弦からのメールに私の心臓が大騒ぎしていたから・・・

英斗との事がまるで遠い過去の様に・・・・思えた。
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