ずっと隣で・・・
「本当にありがとう・・・」
「駅まで送るよ」
だけど私は首を横に振った。
「お前って本当に昔っから頑固だな・・・わかったよ。」
すると弦はポケットからちいさな紙切れを差し出した。
「これ・・・俺の電話番号とメルアド・・・今からここに掛けて」
「え？今から？」
弦は頷いた。
「4年前みたいに何でもお前任せじゃ俺成長できないし、
それに連絡先をちゃんと登録するか確認しときたいし・・・」

遠恋するか、別れるかの選択を私に任せた事少しは気にしてたんだ・・・


私はバッグからスマホをとりだし、紙に書かれた番号に電話をかけた。
ワン切りすると今度はメルアドを入力して
　ありがとうとだけ入れて送った。

「じゃあ・・・私行くね。仕事頑張って」
そう言うと弦に背を向けドアノブに手をかけた。
すると後ろから弦に抱きしめられた。
「弦？」
「次に会うときは絶対に離さないから・・・」
耳元で囁かれる声に自分の意志が揺らぎそうになった。
「あれ？昨日、バーカ、何にもしねーよって言わなかったっけ？」
心臓は恐ろしいくらいにバクバクしていてるのをごまかすように言葉を返したが
「これくらい許せよ・・・今はこれ以上許されないんだろ？」
この期に及んで私の気持ちを惑わすような言葉になんと返していいのか
言葉が出てこなかった。

しばらくすると弦の抱きしめる腕が離れた。
私は真っ赤になった顔を隠すように振り返らずドアを開けた。
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