ますます監禁されますが、お仕事です

ーー

「いいんですか?後輩くん、死んでましたよ」

自称幽霊との通話を強制的に切った彼。仕切り直しのように、私にもたれかかってくる。

「気にしなくていいよ。あれはいつも、あんな感じなんだ。雨音以外の奴に優しくなんかしないから、自然と人は寄って来ないのだけど、何故か懐かれてね。本当に困った」

聞きながら、そういえば、彼はあまり仕事の話をしないなと、興味が湧いてきた。

「後輩くん、どんな人なので?」

「俺が君に男の話をすると思う?」

質問に質問を返されたが、答えとしては、知らなくていいとのこと。

好奇心が満たせると思ったのに。残念になる矢先。 

「せんぱーいいいぃ!電話がなんか壊れたっぽいので、直接来ましたあああぁ!」


今のご時世、幽霊もインターホンを連打してくるらしい。


※ピンポンの数=彼のこめかみに出る青筋。


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