Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
鏡の中の自分は髪をてぐしで整えていた。

『ハァ…ふぅー…』
乱れている呼吸を整える。

一階…
二階…
三階…
四階…

次だ。

チンッ…
五階に着くと、エレベーターが開いた。

―ドクン…
あこは固まってしまった。

エレベーターの先には、同じ格好をした人が5人くらいで笑いながら話していた。

頭には帽子。
口元はマスク。

何本もの点滴。

ゾクッ…
鳥肌が立った。

テレビの医療番組で見た事がある。

この人達は、みんな同じ病気を抱えているんだ。

あっちゃんも…

ガクガクガク…
急に無償に怖くなって足が震え出す。

それでも、頑張って、エレベーターから足を一歩踏み出した。

あっちゃんが居るのは503号室だ。

『…こ…んにちわー』
さっきの帽子を被ってマスクをしている人達に挨拶をした。

「あっ、こんにちわぁっ☆」

びっくりしてしまった。

明るい声。
笑顔。

入院患者とは思えないくらい明るい。

501…

502…

『あった…』
503号室。
ナースステーションの真向かいの部屋。

“高橋 篤”

名前を見て、力が抜けそうになる。

本当だったんだ…
間違いなく、あっちゃんが居る。
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