砂漠の王と拾われ花嫁
唯一、莉世が大好きなのはダンスだ。


さすがにアラビアの世界に似ているこの異世界はベリーダンスのような踊りもあった。


だがそれは身分の低い踊り子が踊るダンスで、莉世が踊る踊りは剣(つるぎ)の舞。


剣(つるぎ)を持ちながら滑らかに踊っていくのだ。


ラシッドは剣(つるぎ)の舞を見事に踊る。


男と女では踊り方が違う。


男はより男らしく、女はより女らしく。


いつか莉世も上手になったら一緒に踊ってみたいと夢見ている。


まだまだ一緒に踊れるほど上達はしていない。


剣(つるぎ)だけあって取り扱いに注意しなければ自分の身体を傷つけてしまう。


舞の授業がある日は稽古であっても真剣を使うので生傷が絶えないのだ。





< 49 / 491 >

この作品をシェア

pagetop