砂漠の王と拾われ花嫁
舞いながら剣を頭の上から落としてしまった時、肩を深く傷つけてしまったことがある。


その時はさすがに2度と舞をやらぬようラシッドは禁じた。


もちろんその教師はやめさせられた。


自分のせいだといってもラシッドは取り合わず、半年間練習が出来なかった。


その傷のせいで左肩が治るのに3ヶ月かかってしまったのだが。


宮殿の自分たちの住居の棟では自由にさせてもらっている。


が、莉世の行動は庭の中にある厩舎までで他に行こうとすると護衛やラシッドの信頼を得ている召使が付き添う。


自分はこの国で異色だと言う事は分かっている。


日本人の父とアメリカ人の母を持った莉世は髪の毛も栗色、瞳は宝石のようなエメラルドグリーンなのだ。


髪の毛などはこの国の陽に照らされて色が白っぽくなっている。


自分のような容姿を持つものは4年間見たことがなかった。



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