蝶々結び
「七星ちゃん、食欲なかったなぁ……。しんどいん?」


夕食後、みっちゃんが心配そうな表情であたしを見た。


「違うよ!」


あたしは、出来るだけの笑みを浮かべた。


「でも何か元気ないやん?」


「あっ、ちょっと緊張しちゃって……」


眉を下げて小さく答えると、創太が口を挟んだ。


「明日の祭りの事で、何か心配なん?」


「まぁ……そんなとこかな……」


本音は違うけど、そういう事にしておいた。


「七星ちゃんの舞、皆楽しみにしてるで!」


「でも、今年はちょっと……」


「舞って何の事?」


あたしが言葉を濁すと、今まで黙っていた上杉先生が首を傾げた。


「良兄、説明したやろ?明日の祭りで七星が踊る、って」


「あぁ、あの話か……」


上杉先生は呟きながら、小さく頷いた。


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