蝶々結び
「一緒に祭り廻ろうや♪」


創太はそう言って、あたしの腕を掴んだ。


「あたし、もう帰るよ……」


「ええからっ♪良兄が奢ってくれるって!」


「えっ?」


「須藤、誕生日なんだろ?だからお祝い♪」


創太に引っ張られたあたしは、二人と一緒にお祭りを見て廻った。


「ん♪」


「ありがとうございます……」


あたしは遠慮がちにかき氷を受け取り、上杉先生と創太に挟まれて座った。


どうしてあたしが真ん中なの……?


緊張して、落ち着かない。


あたしの両側から、同じ香水の香りがする。


イチゴシロップの掛かったかき氷を食べながら、頭がクラクラしていた。


「須藤、どうかした?」


「いえ……。別に……」


あたしは呟きように言って、小さくなりながらかき氷を食べ続けた。


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