%コード・イエロー%

「え?」


空耳かと思った。


「カルテ、探してるんだろ?

外来クラークじゃ、限界があるんじゃないのか?


俺の必要なカルテをあっさり見つけ出したのに、

まだ、見つけてないってことは、探すのが難しいカルテなんじゃないのか?」


悪魔の、囁き。


「--な、んで・・」


「夏夜の唇が、気に入ったから。

あったかくて、柔らかくて、俺好みだ」


仲地は、そう言うと、

今度は角度を変えながら、挟み込むようにして何度も私に口付けてきた。


抵抗すれば、いますぐ離してやるとでも、言わんばかりに。


何度もそうされているうちに、体が熱くほてってくるのが自分でもわかる。


「・ふっ」


思わず漏れた声に、仲地がくすりと笑った。


「かわいい声だな。もっと、聞きたい・・」


耳たぶを噛みながら、艶やかに囁かれたその声に、

私は自分が、どうしようもなく弱い人間なのだと悟った。


この夜、私は、地獄へと堕ちる事を自ら選択した。





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