%コード・イエロー%
「んんっ!」
必死で抵抗してみるが、やはり男の力にはかなわない。
なんとかして、逃げなくては。
私は、冷静になろうと必死で頭を働かせたが、
どうにも空回りして、いい案が浮かばなかった。
医者という生き物の生態には詳しい私も、男という生き物については、
知識の上でも、経験の上でも、まるっきり小学生なみに貧弱なものしかもちあわせていない。
今時の女子高生の方が、よほど先を行っているに違いない。
それでも、なんとかこの状況を打破しようと、足を動かしたり、頭を動かしたりしてみた。
私の力が緩まないのを感じてか、仲地の体温が、ふっと遠ざかる。
お互い至近距離で見詰め合う。
仲地の魅力的な黒い瞳を間近で見て、私の胸が騒いだ。
・・馬鹿!
こんな、見た目だけで中身のない男を見て、かっこいいと思うなんて。
私が、思いっきり睨みつけたのを見て、仲地の顔に笑みが浮かぶ。
と。
「協力してやろうか」