未来のない優しさ
想像する以上に辛い人生を受け入れて尚、生きる為に笑えるのは何故だ…?

俺を恨んでもいいのに、いつも俺の側でまるで嫁のように世話をしてくれて…。

それは、ただ親戚だという理由からなのか…?

俺の母親から様子を見てくれと頼まれたからなのか…?

かすかに笑ってるような寝顔をみると、柚には絶対に知られたくない感情が溢れる。

微かに開いた唇。

俺以外の男の温かさを、その唇は知っているのか…?

そっと顔を寄せ、唇を落とす。

一瞬目を覚ましそうになった柚にびくんとしたけれど、そのまま…柚の唇に、俺の罪悪感を落とし続けた…。

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