座敷わらしのしのぶちゃん♪
「化粧怖ぇ~、ってゆーか女怖ぇ~。」


見た目はずいぶん変わったけど、しゃべると相変わらずだな誠之介さん。


さっきから私の顔を見てはただただ驚いていた。


由宇くんはと言うとーーー


「連れからメール来たんで帰ります。今日、直帰で良かったですよね?」


と言うなり帰ってしまった。


そして今、私は誠之介さんと二人でホテルのカフェにいる。


「大学行きながらお仕事されてるんですよね?会長がいつも誉めてますよ、誠之介さんの事。」


「親父が?俺、毎日どなられてばっかだけど………でもまあこれまで散々好き勝手してきたし、これからは兼先の家に恩返ししないとな。ボチボチ親父にも楽させてやりてぇし。」


「クスクスッ。」


「んだよ。何が可笑しいんだよ。」


「ごめんなさい。だって由宇くんも同じ事言ってたから、本当の兄弟みたいだなって。」


「由宇が?」


「はい。いずれは兼先の家に恩返ししないとって。だから今だけ少し好きにさせてもらうって。」


「チッ生意気言いやがって。先に帰ったのも、あいつなりに俺たちに気を利かせたつもりなんだぜ。」


怒ったように言いながらも、誠之介さんの顔は嬉しそうだった。










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