《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
七巻*隷属の志願!?
「・・・」


いつもと違う血の味。

いつもなら、輸血しても喉奥の餓えが残るのに。

喉も躰も満足感を帯びていた。


自分の血のはずなのにーーー・・・

何かが違っていた。


ソファーの背に凭れ、違和感のある躰を預けた。
俺は花奏を邸宅に送迎して、戻って来た千早を問い質す。



「具合はどうですか?」


千早は心配そうに俺を見つめて、問いかける。



「お前…俺に何か隠してないか?」



「やはり、違いがわかりますか…」



「千早お前…!?」


俺はソファーを立って、千早の胸ぐらを掴んだ。












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