風に恋したキミと
6*太陽だけが知ってる



週末の土曜日。



9時から始まる練習の1時間前。



わたしはまだ誰もいないグラウンドにいた。



晴れ渡る空に雲ひとつない今日の天気はわたしの心とは正反対でちょっとむかつくくらい。



思えば、園田先輩と一緒に橋本先生に怒られてから5日間経った。



その間桐島と一切喋る機会がなくて、わたしが話に行かないと前みたいに簡単に話すことはなくなってしまうんだって思った。



相変わらず桐島は何かに怒ったかのような感じがするし……。



「わたし……いつになったらまた桐島と話せるようになるんだろう」



とため息をこぼしながら、両手でメディシンボールを掴んでいた。




< 112 / 361 >

この作品をシェア

pagetop