COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
好きな人は……。
「あれ……?御影は?」
さっきまで側にいた彼女の姿が見えない。
目の前には松山先輩が居る。

「団長のとこ。それよりあなた、本当に御影ちゃんのカレシじゃないの?」

「えっと──、」

先輩の視線がじりじりと迫ってくるのを感じて、俺は精神的に追い詰められた心地になる。

「私は騙されないわよ」

お互いを名前で呼んでいることが判明している今、どんな言葉を並べても彼女には言い訳にしか聞こえないのだ。
白状しなさいと言わんばかりの口調と鋭い視線が突き刺さる。

ああ……どうやって説明したら納得してくれるんだぁ〜。

「あの〜……。どんな人なんですか?その──団長って」

まずは話題を変えてみよう。

「そうねぇ〜皆は『怖い』とか『冷徹』とか言うけど」

「けど?」

「時々思うの、本当は『寂しい』んじゃないかな……って」

彼女の遠くを見つめた瞳がとても印象的だった。

「……松山さんはもしも団長のことを好きなヤツが現れたらどうします?」

「そりゃあ、やめろって言うに決まっているでしょ!当然!」

そんなに断言しなくても。

「……ですよね?アハハ……」

「恭ちゃん?」

──恭ちゃん?!
まぁ、いいか。

「団長のこと好きなんです」

「誰が?」

俺に人差し指を、恐る恐る自分に向けた。

その後、彼女が大声で驚いたのは言うまでもない。
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