後悔の後・・
愚かな約束
俺はその結婚自体になげやり状態で、祖父のため、両親の顔を立てるためと愚かにも考えていた・・結婚が決まり、千佳ともしっかりと話しをしなかった・・両親の手前、大人しく何も言わずに・・・

だが、俺は残酷にも、式が終わり、初夜となるべき夜に自分の考えと妻となった千佳に打ち明けた・・・今思うと恐ろしく冷淡で・・

「君も気づいていたと思うけど、この結婚は老い先短い祖父の願いだから仕方なくきまった結婚だ・・もちろん僕の意志ではない・・何年かいや・・祖父がもし亡くなったら離婚するつもりでいる・・僕達に愛のある夫婦生活は無理だ・・僕は君を愛していない・・」


「・・・・」

彼女は一瞬泣きそうに顔をゆがめたが必死に耐えていた・・

だが俺はそれにも気づかないフリをして自分のことしか頭になかった。


離婚して自由になる・・まだ遊びたい・・そんなことが頭に過ぎっていた。


「祖父のために君につらい結婚をさせたと思う・・もちろん慰謝料は払う、君に他に好きな人ができら離婚してもいい・・・僕だけが書いた離婚届は用意してあるから・・・」



「他に好きな人がいるのね?だから?」



「・・・・ああ」


「そうわかったわ・・で、今日はどうするの?初夜なのに・・」


< 5 / 289 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop