スーツを着た悪魔【完結】

深青はこのまま、泊まることになった。

京都から持って帰った荷物の中に、予備の下着などはあったらしい。とはいえ、風呂上りの深青に下着姿で狭い部屋の中にいられると、妙に恥ずかしい。


まゆは先にお風呂を出ていたが、タオルで頭をゴシゴシしながらのんびりとした様子で姿を現した深青から、ドキドキしながらも目が逸らせない。



「髪、ちゃんと乾かしたほうがいいんじゃない?」

「んー……面倒だからいい。朝、シャワー浴びるし」



深青はさらりとそう言って、冷蔵庫を開けミネラルウォーターを取りだし、コップになみなみとつぎ、飲み干した。


濡れた髪、上気した頬。体にぴったりと添うシャツの下の筋肉質な体とたくましい二の腕。ボクサーパンツからのびる長い脚。


深青は自分の魅力とか、ぜんぜん気にしてないのかな……。


まゆはドキドキしながら深青から目を逸らし、彼の目に自分はどう映るのか、途端にそんなことが気になり始めていた。


と言っても、セクシーなパジャマなんか持ってないし。チェックのパジャマだし……はぁ……。




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