スーツを着た悪魔【完結】
「独身……うん。離婚したばかり」
「ふぅん……」
「いつも私のことを気にかけてくれてるんだよ……その、ちゃんと出来てるのかって意味で……」
深青はダメじゃないと言ってくれるけれど……
長年自分を見ていた悠ちゃんからしたら、心配な存在であることには違いないのだ。
幼いころから言われ続けてきた悠馬の言葉に、疑いの余地はない。
「――そう、か」
気にかけてくれる身内がいるわりには、まゆの自己評価は低すぎる。
妙にひっかかるが微妙な問題でもある。憶測で口には出せなかった。
「深青……?」
何かおかしなことを言ったかと、不安そうにまゆが顔を上げる。
「なんでもねえよ」
まゆを不安にはしたくない。
笑って抱きしめる腕に力を込めると、彼女はホッとしたように目を閉じた。