気ままに生きる

いつの間にか全員ハーフのバンドになっていた

 デビューするにあたって、グループ&アイだったバンド名を当時出演していたお店の名前からとってザ・ゴールデン・カップスにしたんだ。

 そしてレコード会社とプロダクションが相談して、バンドメンバーを日本人じゃなくてハーフっていうのを売りにしようとしたんだよ。本当のハーフは俺とブッチだけなのにね。

 プロダクションってそういうもんじゃん。年だって全員1歳サバ読まされたんだよ。俺1948年生まれなのに49年になってるし、みんな1歳若くなっている。適当だったよね、あの頃。でも1歳くらい違ったからって何が違うんだろうね。意味がわからないよね。

 当時の「いとしのジザベル」のシングル盤を見るとすごいことになっているよ。マモル・マヌーがフランス人になっているし。18歳のルイズルイス加部。エディ藩はイギリス国籍って書いてあるし……。

 それで芸名をどうするんだって言われたんだ。それまでは演奏でメンバー紹介とかもしなかったし、芸名なんて真剣に考えたことなかったよ。今みたいに「ベース、加部正義」なんてステージ上で呼ぶことはしなかったんだ。ただ、がーって演奏してるだけで。

 俺は親父のルイズルイスって名前を覚えていたからさ、じゃあ俺はルイズルイス加部って。ケネス伊東はそのままでしょ。マモル・マヌーってどっからきたのかなって思ったんだけど、親戚にそういうのがいたから。でも珍しい名前だよね。マヌーって。デイブ平尾とエディ藩はどうしてエディってついたのか俺にはわからない。平尾時宗、藩広源なのに。
< 26 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop