*正しい姉弟の切愛事情*

5、いとしい背中



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――本気だから、一歌が嫌がるならヤメる――


その言葉通り、瑞貴は私に触らなくなった。


朝台所に立っていても、2人きりで食事をしていても、お風呂から上がって部屋に入ろうとしたときにばったり遭遇しても。


今までは、隙あらば髪に触れたり、手を握ったり、キスをしてきたりしてたのに、

急に興味を失ったみたいに、それらの行為はピタリと止んだ。



目が合えば「おはよう」とか「おやすみ」とか「いってきます」とか、そっけなく挨拶をするけれど、体には指一本触れない。

階段を間近ですれ違うようなときでさえ。


告白される前まではそれが普通で、当たり前のことだったのに。


今は妙な物寂しさを覚えてしまう……なんて、


あたし、変だ――



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