我等オカ研特捜部

奇喜怪解(ききかいかい)

 これは私が過ごした高校最後の年の記録である。
 
 オカ研に入ってから多くの事があった。
 
 そしてこれが私の高校生活最後にして

 『最大の事件』としてここに記す。

 この事件は非常階段で親友である真奈美との会話で始まった。


真奈美
「あんた前からあんまり良い噂聞かないけど大丈夫?」

小山
「あーオカ研?ネクラだけど良いやつらだよ?
 
 それに私がどんな冴えない男と遊んで噂されても、もう気にしないって決めたし」

真奈美
「オカ研っていってもさ…」

小山
「真奈美がゆーたやん、覚えてない?」

真奈美
「オカ研は知ってるよ?

 学校の七不思議の1つでしょ?

 あんた最近一人でぶつぶつ言ってるってみんなが」

小山
「は?」

真奈美
「放課後は校舎裏で良く見かけるっていうし、クスリとかじゃないよね?」 

小山
「はー?」

真奈美
「何でも相談してね、私達親友でしょ?」

小山
「2年の谷口と荒木知らない?」

真奈美
「2年?一年でしょ?

 だから知ってるって、殺されたっていう、いじめられっこでしょ?

 その話はやめてよ怖いんだから、からかってるんでしょ?

 せっかく心配してあげたのに」

小山
「はーーい?殺された?」

真奈美
「もうっやめてよ」

 真奈美は怒って次の教室に入っていった。

 始業のチャイムが鳴ったが、もはやそんな事はどうでも良くなっていた。

 私は走って2年のクラスを次々に回っていった。

 何処にも彼らの姿は無い。

小山
「あっそうかーあいつら馬鹿だから留年したんだ」

 そう自分に言い聞かせて冷静を取り戻そうとしていた。

 次々に教室に乱入する私。

 授業の妨害だの、噂の先輩だのなんなの回りの雑音がうっとおしかった。

 考える時間が欲しい。

 しかし次第に私を取り囲む先生達の輪は消え、意識が戻ったらオカ研の顧問である岡田先生に手を引かれていた。


 


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