バンドマンに恋をした


「んだよ、うっせーな。」

「ごめんなさーい」

ふざけて幼稚園児のように
謝ると同時に頭も深く下げた。


顔を上げると同時に
ふわっと鹿島くんの香りに包まれた。


「ふぇっ…?」

よく考えるとわたし、
鹿島くんに抱きしめられてる!?!?

「ちょっ…か、鹿島くん!?」

動揺して、声が裏返ってしまった。

「うるせー。だまれ。
しばらくこうさせろよ…。」


ドキドキ…。

いつも鹿島くん冷たいのに
すごく温かく感じる…。


あれ?
鹿島くんもドキドキしてる…?


「鹿島くん…ドキドキしてる…?」


「はぁっ!?
なんでお前みてーなやつに
ドキドキすんだよ。

ほら、一条、帰るぞ」


鹿島くんは、
ぱっとわたしのことを離し、
言い放った。

ていうか、いまわたしのこと
名前で呼んだよね!?

苗字だけど…

いつも、お前だからちょっとうれしい!


「ほら、早くしろよ。おいてくぞ」


「あー、今行くから〜!!」


そんなことしながらまた
鹿島くんはバス停まで送ってくれた。
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