さよなら御伽話(メルヘン)またきて現実(リアル)【完】
テストが終わった当日は家に帰ってすぐさまベッドにダイブし、二日目の教科そっちのけでそのまま泥のように眠った。
かつて無いほど真剣に勉強に取り組んで、普段使わない気力を消耗したためだろうか。
仮にもまだテスト期間中であるにも関わらず、朝まで目が覚めなかったことにはこれまた戦慄した。
とはいえ数学以外の教科はなんとかなる自信があったし、逆にそれだけ数学は致命的な存在だったというわけだけど。


「やったあー!」


後日返却された数学の答案用紙を見て、私は思わず歓喜の声を上げた。
香坂先生からは「頑張ったわね」とお褒めの言葉をいただけたし、ファミレス勉強会組からも「良かったじゃん」と声を掛けてもらえて、喜びに満ちた私の表情は気持ち悪いくらいに恵比須顔であっただろう。
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