さよなら御伽話(メルヘン)またきて現実(リアル)【完】
鼻の下を真っ赤にしながら意地の悪い笑みを浮かべた和泉川先輩は、いつになく滑稽な姿である。


「無理矢理犯されたくなかったらあんまり暴れないことだな」
「隙ありっ!」


そんな強姦まがいなセリフを吐かれたと同時に、私は和泉川先輩の急所蹴り上げることに成功。
表情を引きつらせた和泉川先輩は、声もあげずに股間を押さえてその場にうずくまる。
その隙に私はベッドから下りて、ふらつきながらも鞄を手にした。

男の人の弱点は大事なアソコだと言うけれど、これほどまでに威力があるとは。
顔を青ざめさせて激痛に耐えている和泉川先輩を見て、そう実感する。

まぁ今回は使い物にならなくなるほど思い切り蹴ってはいないはずだから、大丈夫だよね、うん。
因果応報。合宿で自分が舞鶴さんに与えた痛みが、いかに凄まじいものだったか思い知るがいいさ。
< 272 / 558 >

この作品をシェア

pagetop