極上ショコラ【短】
「今、交渉しています」


笑顔を繕ったあたしに、編集長は眉をしかめた。


「おいおい、大丈夫か?原作者の来ないパーティーなんて有り得ないからな」


「わかっています」


「何としてでも篠原先生を説得して、パーティーに出席させてくれよ。先生もお前の言う事なら聞くだろうから」


「……そうだといいんですが」


「お前は先生のお気に入りだろう。何せ、こんなに担当が代わらなかったのは、お前が初めてなんだから」


篠原と付き合っている事は誰にも話していないから、編集長の言葉に深い意味は無いはず。


そうである事を願い、ニッコリと笑った。


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