極上ショコラ【短】
「先生……」


目の前にいたのは篠原で、不機嫌な表情を向けられている事に嫌な予感を抱く。


「……何だよ、こいつ」


苛立ち混じりの声に予想が的中している事を悟り、彼の機嫌をこれ以上損なわない言い訳を考えたけど…


「言えないような関係なのかよ」


それを思い付く前に、自己完結されてしまった。


チッと舌打ちをされ、思わず体が強張る。


篠原はそのまま背を向け、さっさとパーティー会場の方へと戻り始めた。


「先生っ……!」


「待てよ、雛子!」


慌てて篠原を追い掛けようとすると、和也に腕を掴まれてしまった。


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