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向かいの公園は、ブランコと滑り台があるだけの小さなもの。
遊ぶ子供も少なく、平日の昼であるこの時間には、人っ子一人居ない。



「ここにしよう。」



同じ木が何本も立ち並ぶ、その内の一本。


その下で足を止めた。



「他の場所の方がよくね?これじゃ埋めた場所わかんなくなるぜ?」
「いいんだよ、それで。」



そう言うと落ちている木の枝を拾って土を掘り始める。


俺もそれに習って同じ場所を掘った。



「なんかさ、」
「なんだよ?」
「やっぱ何でもない。」
「はぁ?意味わかんねー。」
「気にしない、気にしない。あ、このぐらいで良いかな?」



穴を掘り終えて、猫を横たえた。


その上に掘り返した土を被せ、簡単な墓を作った。



それから二人して手を合わせた。


手を合わせてるとき、俺は特段何かを考えていた訳じゃなかった。


そりゃそうだろ。
別に飼っていたわけでもなく、生きているうちに姿を見たわけでもないんだから。


なのに俺が目を開けたとき、隣の奴はまだ手を合わせたままだった。


瞼の閉じられた横顔を見ても、何を思っているのか全然分からない。



ずっと横顔を見ていたら、ふと口が動いた。



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