憎悪と、懺悔と、恋慕。
「・・・話し合ってはいないんだ??」
木崎センパイがあからさまに不満気な顔をした。
「・・・はい」
だって、嫌だったんだもん。 気持ち悪かったんだもん。
それに、木崎センパイに『ちょっと』何かある様に、ウチにだって色々ある。
「ウチ、弟がまだ小6なんですよ。 ・・・あんまり事を大きくしたくないんです」
お母さんのせいで、まだ小学生の弟の胸を痛めたくない。
「小6って、言う程コドモじゃねぇだろ。 話せば分かるだろ。 ちゃんと弟にも話せよ」
木崎センパイは、小6の心を傷付ける事に何も抵抗がない様だ。
・・・鬼畜だ。
木崎センパイは悪くない。
悪いのは、ウチの母親と木崎センパイの父親だ。
分かっているけれど、木崎センパイの言い分が、やり方が気に入らない。
腹が立つ。
・・・もう、怒らせてもイイや。
物凄い顔で睨まれようとも、罵声を浴びせられようとも、女に手を上げる事はないだろう。
・・・別にイイや。 殴られても。
だって、ムカつく。 言わなきゃ気が済まない。