君と僕との物語
2、「君に恋する物語」
世界中が雨だったらいいのに………。

文句のつけようがないくらいきれいな青空をみあげながら、

僕は本気で願ったんだ。

世界中が雨だったらいいのに、と。

強く、

強く、

願ったんだ。

もしも、世界中が雨だったら、

君は心置きなく泣けるから。

人目を気にすることも、

声を押さえることもなく、

おもいっきり泣けるから。

そうならない今日この時を、

君が無理して笑うから、

僕の胸の奥のほうが苦しくなって、

僕はなんだか泣きたくなった。


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