魔法がとけるまで

そう言ってニヤリと笑う綾瀬さんが怖くてたまらなくなった。



「そんなにひかんといてや！冗談やで！」



…良かった…。付き合うのも冗談…やんな？



「最近、綺麗になったから付き合いたいと思ってん…これは本気で」



綾瀬さんはそう言って、私の手を握った。



「あの…私…。ごめんなさい…」



「なんで謝るねん？急に告白されて、ビックリしたんか？オレがアイツを忘れさせてやるから」



「………」



『ごめんなさい』そう言って断ったつもりやったのに…伝わってないし！


「とりあえず、海老名は今日からオレの女や」



「…はっ？」



「祥子って、呼ぶから」


「ちょっ、と…綾瀬さん？」



「オレのことは伸二って呼んでくれ」