魔法がとけるまで
さよならとありがとう
目覚ましが鳴り、また新しい朝がやってきた。



土曜日の夜、綾瀬さんを怒らせてしまって、日曜日は1日中ひきこもっていた。



会社、行きたくないな。でも、綾瀬さんとケンカ別れのままも嫌やった。それに…やっぱり座間さんに会いたかった…。



重い心と体を引きずるようにして、時間ギリギリに出社した。



「おはようございます。エビショウさん、大丈夫ですか?」



目の前でロールキャベツが、心配気に眉をひそめた。



「おはよう…何が?」



「いつもより出社時間が遅いから、体調悪いんかと思って…」



「ううん、ありがとう」


作り笑いを浮かべると、ロールキャベツがえくぼを見せて笑った。



もう、あなたには癒やされない。



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