ツンデレくんを呼んでみた。
それでも、その時は訪れた。


あたしが先に布団に入って目を閉じていると、体に重みを感じた。


何だと思って目を開けたら、あたしの上に乗っている中出と目が合った。


「……どうしたの?」

「ん……」


ぎゅっと唇を噛み締めて苦しそうに顔を歪めている。


どうしてそんな顔をしているの?


その瞳は恍惚な光を放っていて、でもそれを見せまいと我慢しているようだった。


まるで初めて対面する男に見えた。


「中出、言わなきゃわかんない」

「…………」


なかなか口を開かない中出が、あたしの顔の横でぐっと拳を握りしめたのがわかった。


「……相変わらず貧相やな」

「あ?」


中出があたしの胸元を見て言うもんだから、すぐにわかった。


「喧嘩売ってんの?」

「正直に言っただけやけど」

「悪かったね。そんなに嫌なら帰れ」


あたしが睨みつけると、中出がくすっと笑った。


「ほんとに女なん?」

「売られた喧嘩は買ってやるけど」

「涙目になってる」

「あんた、将来ろくな死に方しないよ」


中出が一瞬真顔になって、唇を重ねてきた。


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