甘い心はあなた一色
……それにしても、あたしどうしてここにいるんだっけ?
記憶にもやがかかって、よく思い出せないんだ。
「……ん、あれ俺、寝て……」
体を起こして織くんを見ていると、目を覚ましたみたい。
あたしを見つけるなり、目を見開いた。
「紗英子さん!?大丈夫?」
「え、あ、うん大丈夫だよ」
あまりに心配されるから、体を引いてしまうくらい。
あたし、大丈夫なのに……。
「木陰で気を失ってたから……心配した」
あぁ……あたし、あの後意識を失ったんだね。