甘い心はあなた一色
うーんうーんと悩んでいたら、後ろからバーンと扉が開く音がした。
――え?
びっくりして振り向くあたしは固まった。
―――あ。
「あ、朱音ちゃん……っ!」
あたしのバカな大声は、トイレの外にもしっかり届いていて。
「えっ、朱音!?」
「ヤバくないっ!?」
女の子達が騒いでいるのがわかった。
ああ、あたし最悪……。
「……言いたいことあるなら、あたしに直接言ってくれる?」
見えない相手に、冷たい言葉を浴びせる朱音ちゃん。
――えっ、す、すごい。
って感心していいんだっけ。