甘い心はあなた一色
あたしなんかが彼女でいいのかな、なんて。
今まで考えもしなかったことを、考えてしまった。
やっぱりそれは、織くんが隣にいるからだよね。
「そんなこと心配してたの?」
「へっ?」
“そんなこと”?
あたしにとっては大事なことなのに!
「もういいっ!織くんにはわかんないよ!」
あたしの気持ちなんて。
どうせあたしだけだよ、こんなこと考えてるの!
「紗英子さん、」
「織くんなんて知らない!」
腕をほどいて扉に向かう。