甘い心はあなた一色





「泣き止んだ?」



「うん……織くんごめんね?」



あたし本当にバカだね。



面倒くさいって思われても、仕方ないよ。



「ごめんはいらないから。ほら、早く帰らないと」



窓の外を見ると、空がグレーに染まろうとしていた。



「あ、うん」



「1人で帰るの?」



「うーん。今日は美知、委員会って」



だから1人なんだよね。



怖いけど、仕方ない。



ってあれ。さっきから無言の織くん。



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