城田くん取扱説明書
机の上に取説



「なんだ、これ。」



朝、7時30分という、登校時間よりかなり早い時間。
まだ、誰もいない、私ひとりの教室で机の上の【あるもの】を見てそんなことを呟いた。


「えーと…【城田くん取扱説明書】?」



【あるもの】とは、つまり

【城田くん取扱説明書】なんだけども。


城田くん、城田くん…。

あ、もしかして、隣の席の城田くんのこと?



でも、だとしても。

「なぜ私の席に置いたし。」


誰かが間違って置いちゃった?
しかも、どう見ても、ノートに書いた手作りだし。
そもそも何のために作ったの?


…というか!
こんなものを置かれたら。


「読まないわけ、ないじゃん。」


むふふ、なにこれ。
ちょーおもしろそう!


私、田島 那加(たじま なか)の好奇心をなめないでほしい。


誰が作ったのか知らないけど。
私、読んじゃうからね!


ペラッと1枚めくる。


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